やまがた里山養蚕染織研究所

2017/6/ 1 | やまがた里山養蚕染織研究所 | 都内小学校で養蚕体験、白鷹から稚蚕届ける

5月末日早朝、東京都内の小学校へ、

卵から孵ってまもないお蚕を届けてきました。

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<山形から大事にリレーされてきたお蚕>

 

その箱の中には、体長3ミリほどしかない約1000頭の稚蚕たち。

はるばる山形県白鷹町から、手渡しのリレーで東京までやってきたのです。

まだ生まれたばかりの稚蚕ですから、刺激を与えないよう、

研究所や社長の手まで借りて、慎重に運ばれてきました。

 

実はこのお蚕、白鷹町で養蚕指導をしてくださる新野さんから譲り受けたもの。

今回東京の学校での養蚕体験をしたいと話を持ちかけたところ、快くご協力していただいたお蚕です。

 

通常私たちが養蚕をするときは、蚕種飼育所で3齢期まで育てられた蚕しか手に入りません。

しかし、今回はせっかく授業で観察できるなら卵から観察したいという要望を受け、

そこで新野さんにご相談したところ、新野さんご自身で育てようとしていたお蚕*を譲ってくださいました。

ちなみに、当初100頭ほどお願いしていましたが、それでは少ないからと1000頭近くも下さいました。

(*5月下旬からの急激な気温上昇により、予定より早く卵から孵ってしまったので、今回は稚蚕を届けました。)

 

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ここまでは良いものの、何分デリケートなお蚕。

農薬や細菌ですぐに死んでしまいます。

白鷹に比べたら、最適とは言えない東京の環境で無事に育つだろうか…という心配をよそに、

お蚕たちは、ここ大都会の真ん中でも、小さな体で必死に桑を食べていました。

ともかく元気に育つことを祈ります。

 

お蚕を受け渡した直後の理科の授業では、蚕のスケッチをしたそうです。

あとから生徒の反応を伺ったところ、(意外にも!?)「家で飼いたい」という生徒が多かったとのこと。

都会の子供だからと、ほとんど嫌がられるかなと若干の不安もありましたが、ひとまず安堵。。

 

たくさんある理科の授業内容で言えば、単なる観察課題の一つかもしれませんが、

おそらく彼・彼女たちが大人になっても、「お蚕を飼った」記憶は、強く遺ると思います。

実際、理科の授業は好きじゃなかった私も、「カイコを飼った」記憶だけは鮮明に覚えています。

 

生徒たちには、蚕の不思議な生態観察をきっかけに、

絹や着物の素晴らしさ、日本での養蚕の歴史や現状、蚕の持つ可能性などなど

たとえ今でなくても、いつか興味を持ってくれる人が出てくれたなら…と欲張りな希望を抱いています。

もしそうなったなら、それは私たちにとってこの上ない喜びです。

今回お蚕たちを届けた事が、国産蚕を未来につないだ「種蒔き」だったと言える日が来ることを願って、

引きつづきお蚕の成長を見守ります。

 

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<幼稚舎校門前。蚕の成長を願う。>

 

2017/5/27 | やまがた里山養蚕染織研究所 | 藤の花、桑の萌黄

冬は寒く、夏は暑い山形で貴重な、過ごしやすい五月。

山のそこかしこで、藤の花が満開です。

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綺麗に整えられた藤棚も良いですが、のびのびと山肌に咲く藤も、幽玄で良いものです。

 

 

研究所の桑園では、苗木が一雨ごとにすくすくと育っています。

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お蚕さまが来るまで、あと約1週間。

五月晴れのもと、飼育道具洗いを行いました!

デリケートなお蚕さまが気持ちよく過ごせるよう、飼育道具は天日にしっかりと干して、殺菌をします。

 

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ほんの少しでも、何かの薬剤などが混ざってしまえば、病気が残っていたら、全滅してしまう事もあるとのこと!!

気の抜けない作業でした。

 

あとは、お蚕さまを待つばかりです!

 

 

 

 

 

 

 

2017/4/28 | やまがた里山養蚕染織研究所 | しらたかの春爛漫!

研究所のある山形県・白鷹町では、先週末から桜の開花がはじまり、

養蚕所では、山々の残雪を背景に、美しい姿を見せてくれています。

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桑の木の苗木からは、ぷくぷくと芽が育ってきました!

お蚕様をお迎えするまで約一ヶ月。

除草や消毒、防虫。

桑の木のお世話をして待ちます。

 

山形県・白鷹町は、自然が多く、春の草花を満喫できる場所です。

今日は、ほんの少し春のおすそ分けを写真にて。

 

 

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研究所敷地内の、「たらの芽」!! 天ぷらにして、冷たいおそうめんと食べる、お勧めです。

 

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ヒメオドリコソウ。染色に使え、緑みがかった綺麗ないろが染められます。

 

 

「美しい春」「おいしい春」「かわいい春」

研究所は春爛漫です!!

 

 

 

 

 

 

 

 

2017/4/24 | やまがた里山養蚕染織研究所 | 染織 種まき

 

  4月も後半、もうすっかり暖かくなりました。

  工房ではしだれ桜が満開です。綺麗ですね~

 

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  今日工房では「藍」と「小鮒草(コブナグサ)」の種まきをしました。  

 

  写真は「藍の種」。昨年育てた藍から採れた種で、今日のために取っておいたものです。

  種を撒いて、土をかぶせ、鳥に食べられないように藁をかぶせます。

 

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  最後は、「大きくなあれ!」と想いを込めて水遣りをしました。

 

  藍は皆さんご存知のとおり、藍色に染まります。

  生葉で染まる水色も素敵ですが、茎でグレーに染めることもできるんです!

 

 

  小鮒草を工房で育てるのは初めてで、まだ染めたことがありません。

  新しい色とともに新たな作品が生まれるのが楽しみです。

 

 

  収穫して染色する日が待ち遠しいです!

 

 

  染織工芸では山から採ってきた植物や、自分たちで育てた植物で

  染色した糸を使用しています。

  

  雪が溶け、次第に暖かくなってきた山形。

  日々青々と変化していく風景を眺めながら、

  これから芽吹く植物がどんな色に染まるのかたのしみです。

 

  

2017/3/22 | やまがた里山養蚕染織研究所 | つむぎ糸

山形・白鷹町では、三寒四温の真っ只中です。

ぽかぽかと心地よい陽が照ったかと思えば、なごり雪がちらついたり、、

そこかしこに蕗の薹が顔を出して、春の匂いが日に日に強くなっています!

 

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桑畑での作業が始まるまで、あともう少し。

春の訪れを待つ間、糸紡ぎの作業を行っています。

白鷹町では昔、春の農作業が始まるまでの「冬仕事」のひとつとして、機織りや、真綿つむぎをしていました。

 

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竹を削って作った、真綿を固定するための道具です。町内の方のお手製です。

真綿を、ひっかけ、ぐるぐると巻きつけます。

(※真綿は、繭を煮てやわらかく伸ばしたものです。弱い光の中でも、ほのかに光沢を放ちます。)

 

真綿をほぐしながら、引き出していきます。

絹は長繊維なので、糸は切れることなく、すぅーっと伸びます。

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薄く引き出したら、指で撚りをかけます。

引き出して、撚って、引き出して、撚って・・・。

真綿特有の節が生まれ、生地を織った時の表情になります。

 

下の写真は、昨年の夏に、紅餅を作る際に出る汁で染めた真綿を紡いだものです。

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うっすらと、朱のかかった黄色の糸になりました。

 

 

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古織機の試し織りに、よこ糸として入れてみました。

節によって、リズムのある風合いに。

ふつふつと、愛嬌のある表情になります。

手触りはしっかりとしています。

紬が元々、その強度を重宝され、普段着として身近にあったことがわかります。

 

日々着ていく中で、肌になじみ、柔らかな風合いになっていく。紬の原点です。

 

「手作業でつむがれた糸には、血が通う」と聞いたことがあります。

昔は、家ごとに、つむぎ手ごとに、さまざまな風合いの紬があったのだろうな

などと思いを馳せながら、春待つ今日この頃です。

 

白鷹担当

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